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変幻本舗

気がつけば・・・ あなたの身体も変化する

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ピアス×2 最終話 


ピアス×2


最終話






それからすぐに浩一の遺体は安置室に移され、


そして優子とカエデも一緒にそこにいた。


顔に白い布を掛けられて冷たくなり横たわる浩一。


その横で優子はまだ止まらない涙を拭おうともしなかった。


もうまもなく優子の両親も浩一の両親も来ることだろう。


カエデはまだ自分が星崎忍であることを警察には申告していない。


だからシノブの両親がくることはまだないはずだ・・・・


そういう状況で彼女はゆっくりと優子に口を開いた。



「ありがとうね・・・・優子ちゃん。あなたたちのおかげで全て終えることが出来たわ・・・・」


優子は浩一の死で頭が一杯になっていた為、カエデのその言葉がすぐに理解できなかった。


「ぐすっ!ひっく!えっぐ!え?全て・・・終わったんですか?・・・・」


目を真っ赤にしてまぶたを腫らした彼女はそう聞き返した。


「ええ・・・・ほんと・・・・・あなたたちがいてくれたから私はもう思い残す事はないの・・・・・」


優子はカエデの言葉に聞き入る。


「私は4年間ピアスに閉じ込められていた命なの。実体を持たない生命として


様々な力を手に入れてきたわ・・・・・・だから・・・・・」


「え?様々な力?」


「ええ・・・・・だからこんな時に最後にこうして役に立てるのが、一番嬉しくて


本当に思い残す事なんてなにもない・・・・・ほんとうにありがとうね・・・・・」


カエデの言葉の意味がわからない・・・・


唖然とする優子の両手を彼女はやさしく掴んで立たせ、その身体を自分の正面に持っていった。


そして・・・・・・・・・・


カエデはゆっくりと自分の顔を優子の顔に近づけながら微笑みこう言う・・・・


「ありがとう・・・・ 浩一君にもシノブ君にもそう・・・・そう伝えてくださいね・・・・・・


 みんなの事は本当に心から愛していましたと・・・・・・・・・・・・・・・」


そこまで言ったカエデは、優子に優しく優しく口づけをした。


優子は驚きのあまり目を見開いてそのキスを受ける。


それと同時にカエデの片手は、押さえていた優子の手から離れその横に眠る浩一の手へと移動して


それを強く握りだした。


すると次の瞬間!


突然彼女の両耳に付けていたピアスが!


激しくその場で砕け散ったのだった!


パリィーーン!!!


「あ!」


砕けたピアスは粉々になり、そこから白い冷気のようなものが立ち込めて


横たわる浩一へゆっくりと吸い込まれていったようだった。


それと同時にカエデは突然身体の力が抜けたようにその場で倒れこんだ。


ドサッ!!


「!!カエデさん!カエデさん!どうしたんですか!」


その様子に慌てて彼女の身体を揺り起こそうとする優子だが・・・・


しばらくして目を覚まし起き上がってきたのは、カエデではなくてシノブだった。


「ねえ!しのぶ!カエデさんが!カエデさんがおかしなこといって!それで!」


パニックになっている優子を今度はシノブが優しく彼女の身体を抱き寄せた。


ギュッと強く抱きしめられた優子は動転する気持ちを落ち着かせようとした。


「え?しの・・・ぶ?・・・・」


シノブはそんな彼女にこういった。


「優子ちゃん・・・・もういいんだ・・・・もう全部終わったんだ・・・・カエデさんはもうここにはいない・・・


彼女は最後に自らの命の灯火を・・・・浩一に分け与えて行ってしまったんだよ・・・・・」


「え?浩一にって?」


シノブはスッと浩一の顔に掛けられている白い布を取り去った。


すると彼の白くなっていた冷たい死顔が、見る見る間に生気を帯びていくのがわかるようだった。


「さあ早く先生に知らせなきゃ!すぐに蘇生措置を再会してくれって!」


「あ!はい!すぐに!言ってくる!」


優子は慌ててその場から飛び出して近くにいる看護士を呼びつけた。


その知らせを聞いた医者は慌てて駆けつけ、浩一の容態を再確認する。


「信じられない!こんなバカなことがあるなんて!」


「せんせい!」


「ああ!すぐに彼を処置室へ!蘇生再会だ!今度こそ連れ戻すぞ!」


「はい!」


医者と看護士の慌しいやり取りのあとすぐに、彼は手術室へ再搬送された。


「あああ・・・・・浩一・・・・・助かるの?・・・・ううう・・・・」


状況が理解できない優子だが、その横にいるシノブは全てわかっていた。


これが最善の結末であった事だと・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




それから1ヶ月の月日が流れた。


そこは大きな海洋フェリーの船上だろうか・・・


船の上の海が見えるデッキの手すりにもたれかかって、


陸からかなり離れた海上に三人の姿があった。




一人は死の淵から生還した 新田浩一


もう一人はその隣に寄り添う美少女 篠崎優子


そしてもう一人はボーイッシュな姿で、中性的な雰囲気を持つ 星崎忍 の三人だった。




浩一はあの後信じられないほどの回復力で、数週間で完治し退院した。


そして優子も被害者として事情を聞かれはしたがそれもすぐに終わり、普通に高校生活を再開していた。


シノブは・・・・・


すぐに姿をくらませて男子高校生の制服に着替えまた病院へ戻り、


浩一や優子の友人として接触しなおした。


つまり・・・・ カエデの姿はシノブと同一人物とはばらすことなく処理されたのだった。


警察側は一連の事件を新谷独自の犯行と処理し、セラフィムは一斉捜査を受けた。


そして経営陣は一新されて店は再開される運びとなる。


三人はそのあと学校の夏休みを利用して、優子の祖父母がいる田舎へ日帰りで旅行に行くといって


今この船上にいるのだった。


「なぁ・・・・ほんとにもうカエデさんは現れる事ないのかよ?」


海を眺めながら浩一は二人に聞いていた。


シノブはそんな彼にこう答えた。


「ああ・・・ 彼女はピアスの中に閉じ込められていた為、それをつけた僕を介して現れる事が出来たんだ。


でも今は違う・・・・ 今は自分の持っている命の灯火だけをおまえに与えて、カエデさん本人の意思は


完全に消滅してしまっているんだよ・・・・・」


「消滅って・・・・そんなのありかよ!そんなのって!・・・・うう・・・・」


浩一は無念からか涙を流した。


「泣かないで浩一・・・・それはカエデさんが選んだことだから・・・・」


そんな彼に優子はやさしく肩に手をかけて言った。


「彼女はほんとうに感謝してた。そして心から三人を愛してるって言ってたわ。


そして最後にこうして役に立てる事が嬉しいってね・・・ だから泣かないで・・・」


その言葉にシノブが続く


「そうだよ浩一。カエデは無念を晴らせて思い残すことなく旅立ったんだ。僕たちに感謝して、


おまえに命を分けてしまうと自分の思念は消える事も承知で、喜んで旅立ったんだ。


だからおまえは悲しんじゃあいけない・・・カエデさんの気持ちを精一杯に受けて生きないとな!」


シノブと優子の言葉を受けた浩一の涙はもう止まっていた。


「ああ・・・・わかった・・・・ 俺の中でカエデさんの命の一部分はずっと生き続けるんだもんな!


クヨクヨしてちゃあまた怒鳴られそうだよな!」


そう言って今度は笑顔を見せる。


そしてシノブはその笑顔を見ながらこう続けた。


「ああそうだ、それに僕たちは最後にカエデに頼まれた事をしなきゃ」


シノブはそう言ってポケットから一つの箱を取り出した。


二人はそれを黙って見詰めている。


その箱を開いて中から取り出したのは、一発の銃弾だった。


「最後の最後に僕の額を打ち抜くかもしれなかった銃弾だ。カエデは最後に今回の悪の根源だった


新谷の魂を、この銃弾に閉じ込めるように梶原に要求したんだ。」


優子も浩一もゴクリとツバを飲み込み話しに聞き入っていた。


「カエデはピアスに封じ込められた。だけどその時はそこからまわりの世界が見えていたんだ。


だからそれを身につける人がいて意思が疎通し波長があえば今回の僕のように入替わり


再び現れる事も可能だったんだ」


シノブはその銃弾を指で挟み持ちながら続けた。


「でも今回はそんな事は許さない。新谷を封じ込めたこの銃弾は、


深く冷たい真っ暗な闇に葬り去られるんだ・・・・ そしてその中で永遠に閉じ込められて


二度と生まれ変わる事もなく暗闇で永遠に苦しむんだ・・・・」


シノブは手に持った銃弾を船上のデッキの手すりから先に差し出した。


「それが彼女の最後の望みだったからね・・・・」


そしてその手を開き銃弾はゆっくりと手から放たれて海に落ちていくのだった。


それはフェリーの大きな波に飲まれて海に沈む・・・・・・


深く深く深海の光も届かない真っ暗な闇の底へと沈んでいくのだった。






その海上の上



上空は真っ青に晴れ渡っていた。



その景色はまるでカエデの笑顔が輝いているかのような、澄み切った見事な青空だった。









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♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪ランラン




わ~~い


終わりましたァ~~~



ほんとに完結しましたァ~~~


書いていて長かったからホントに終われるのか心配でした~



最初からこの展開でのラストは頭に描いて書いていました。



でも細かいところは考えておらず、どう話を持っていこうかと・・・・



だけどまあこのへんで負けといてくださぁ~い 




それではみなさん



さよなら


( ´ ▽ ` )ノ~~



























ε=( ̄。 ̄;)フゥ


読んでくれた人は


ほんまにありがとうございました。






うふ♪(* ̄ー ̄)v



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  1. 2012/07/27(金) 16:26:57|
  2. ピアス×2
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

1. おつかれさま!

どうなるんやろって思ってたから、やっと心のつかえが取れました(笑)

しかし、ここに来て一気に捲くりましたねw
結構急展開だったので、次々気になって、残り一気読みでした。
ホントお疲れ様。

今度はサービスコールの続きも期待してます。
(* ̄▽ ̄*)ノ"
  1. 2012/07/28(土) 00:46:00 |
  2. URL |
  3. Yukka #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

2. Re:おつかれさま!

>Yukkaさん
ありがとうございま~す。
この展開からのラストはだいたい予定通りなんですよ。
ただ・・・ホント自分の時間がここ2ヶ月ほど取れなかったもので、それがなんとか落ち着いて一気に書き上げました。

読んでもらえる人には、この終盤は一気読みして欲しかったんで、アップも一気にしちゃいました~♪

ほんとに読んでくれてありがとうございます。

サービスコール・・・ これはまだまだ時間かかりそうですわ・・・・ (´▽`*)アハハ・・・
  1. 2012/07/28(土) 08:43:25 |
  2. URL |
  3. レン #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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