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変幻本舗

気がつけば・・・ あなたの身体も変化する

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ピアス×2 第六十話


ピアス×2



第六十話







「やばいやばい・・・・・ やばいよぉ・・・・ 」


優子はカエデからの連絡を受けて、動揺していた。


それまでの手はずどおりにセラフィムから出た彼女は、すぐ近くのファミリーレストランに入り


浩一との合流を待っているところだった。


何もトラブルがなく予定通りに事が進めば、盗聴器をつけた浩一が無事店から出てきて、


このファミレスで優子と落ち合うことになっていた。


だが・・・・・


最悪のパターンも予測していたカエデは、優子にその時のための行動を記載した


メモ書きの入った大きな紙袋を手渡していた。


ガサガサ…


気が動転してしまっている女子高校生の彼女は、震える手でカエデに言われていたとおり


そのメモに記載されている内容を、再び確認する。


そこに記載されている内容とは




*******************************************


 非常事態宣言を私から受けた場合は次の行動をとること


1 まず真っ先に警察に通報すること


  その時は、友人が拉致されたと言って店の前までパトカーを呼ぶこと


2 浩一と私はGPS発信機を身につけているので、非常時にはそのスイッチを押します。


  従ってこのメモと一緒に渡してあったタブレットで二人の現在位置がわかるように


  セッティングしてあるので、それを見て警察に説明すること。


3 とにかく盗聴がバレた場合は、新谷なら何をするかわかりません。


  浩一君と忍君のこの身体の安全、命の安全が最優先となります。


  だから警察に追跡を要請し、友人の安全確保をお願いしてください。


4 あなたの身元確認について


  警察に通報する場合は必ず貴方の身元を確認されるはずです。


  その時は以下の名前と住所、電話番号、生年月日、干支を申告してください。


  金石 智美  東京都○○区△△町3-4-8-909
   
         ○3―□6□3―△9△□


         昭和62年9月13日


         兎年生れの25歳


  身元を証明する写真入りのものは持ち合わせていない場合、それらのもので警察は判断します。


  これはあなたが先ほど会った麗羅のものです。


  彼女の素性を知る者はほぼ皆無なので、この名前を言ってもバレる心配はありません。


  それであなたの身元が確認されたあと、警察はどういう状況だったのかを聞いてきます。


  そこであなたは、ここで友人と歩いていたら数人の男に声をかけられて、


  無視を続けているといきなり友人が車に乗せられて拉致されたと言ってください。


  その次にとても仲のいい友人同士なので、お互いに居場所の判別できるGPSを所有しているといい、


  タブレットを見せてその反応を追跡させてください。


  おそらくこの時点で警察は応援を要請するはずです。


  場所が判明した時点で直ぐに突入をお願いしてください。


5 最後に


  これまで一緒に頑張ってくれて本当にありがとう。


  警察が突入すれば、おそらくこの計画は実行不可能になると思います。


  私の無念を晴らすために危険な目に合わせて本当にごめんなさいね。


  だけど私のことなんてもういいから、絶対に浩一君と忍君は助け出してあげてください。



*********************************************





その内容はまるでこうなることが分かっていたかのように


優子のこのあとの行動が記載されていた。


「こ・・・こんなのって・・・・・・・・」


メモを持つ手が震える・・・・


ガサッ!


そのメモが入っている大きな封筒には、記載通りタブレットがあった。


「あ・・・・・」


優子はすぐさまそれのスイッチを入れる。


すると・・・・・・・


いきなり地図が映し出されて、その中に赤く反応する場所が2箇所あった。


「え?ここって?」


優子が驚くのも無理はない。


その場所はまだセラフィムが入っているビルだったのだ。


彼女は慌てて自分がいるファミレスの座席から立ち上がり、店の外に出てセラフィムのビルに向かった。


(ハアハア・・・ 二人ともまだあそこにいる・・・・・)


優子は気が動転していたためか、メモに記載されてあった最初の行動ができないでいた。


1 まずまっさきに警察に通報すること


この肝心の作業を怠っていることに気がつかず、彼女はセラフィムへ向かってしまっていた・・・・


そしてちょうど彼女がビルの近くまで来た時、浩一が数人の男に脇を固められて


表にある車に押し込められるところを目撃するのだった。


(!あ! こういち!)


優子はとっさに自分の身を木陰に隠した。


(ああ・・・・ほんとだ・・・・・ カエデさんの連絡は本当だ・・・・・・)


信じていなかったわけでは決してない・・・・


だが優子にとってはその現実が受け入れられずにいたのだった。


しかしいま目の前にその現実がある。


友人の浩一が車に詰められて拉致されようとしている。


そこでようやく彼女はメモを思い出したのだった。


「あ・・・・ 電話しないと・・・・・・・・」


そして震える指先で、ゆっくりと110とボタンを押した。


「はい!こちら警察ですが!どうされました?」


警察からの声を耳にした優子は、今初めて自分がとんでもないことに


巻き込まれていることを実感するのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



優子は次にカエデが運び出されるところも目撃していた。


カエデは眠らされているためグッタリとしているが、


だがそんなことなど優子にはわからなかった。


(カエデさん・・・・・大丈夫?・・・・・・)


彼女がカエデが心配でならない・・・・・・・・


不安で今にも泣き出しそうな彼女の前にサイレンを鳴らしたパトカーが到着した。


それはカエデが車で連れ去られて数分あとのことだった。


そこで彼女は自分の犯した大きなミスに気づくことになる。


「あ・・・・」


ぶわぁ!!


それまで堪えていたものが一気に崩れるように、彼女の目から大粒の涙が溢れ出した。


「うあああ! 私がすぐに!あのメモのとおり直ぐに警察に通報していれば


浩一もカエデさんもまだここにいたんだ!なのに!わたしはぁぁあああ!!」


パトカーから降りた警官は、意味不明の言葉を発しながら号泣する彼女に驚いた。


「ちょ!ちょっと落ち着いて!泣いてちゃあわかりませんよ!


一体何があたんです? どうしました?あなたが110に通報したんですよね?」


警官は泣きじゃくる優子に落ち着くようになだめながら事情を聞き出そうとする。


自分が泣いているともっと救出が遅れると察知した彼女は、その涙をぬぐい


カエデのメモを思い出してその通りに話し始めた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「するとあなたの友人がここで数人の男の車で拉致されたということですね?」


警官は優子の話を復唱するように確認する。


「すいません、あなたの身元を証明するものをお持ちですか?免許証とか


住基カードのように写真入りのものがあれば・・・・・」


警官のその問いかけに優子は落ち着いてメモの内容を思い出しながら答える。


「証明書なし!今から名前と住所及び電話番号を言うので、身元確認称号お願いします!


 名前 金石 智美  住所 東京都○○区△△町3-4-8-909
   
 電話番号  ○3―□6□―△9△□〇


 生年月日及び干支  昭和62年9月13日 兎年生れの25歳 以上です!」


警官は無線を使い本部と交信して彼女の身元確認を要請した。


するとほんの数秒後にその答えが返ってきた。


「金石智美はその住所で間違いありません。登録の電話番号及び居住者内容の


 生年月日等も全て一致しております。」


パトカーで到着した警官2名はお互いの顔を見合わせて小さく頷き、優子にさらに事情を聞き出そうとした。


「金石さん、連れ去られた友人の事や走り去った車の特徴や、ナンバー番号など覚えている


点はありませんか?些細なことでもなんでも構いません」


そう言われた優子はすっとタブレットを差し出す。


「これに・・・・・・・この点が連れ去られた友人です!はやく!早く追跡して助け出してあげてください!」



!!!



警官の表情がけわしいものに変わっていく!


「こ・・・これは?・・・・・・・・・」


「わ・・・・私たちとても仲が良くて・・・・それでお互いにこんなものをいつも持ち歩いてて・・・・」


「?GPSですか?・・・・ 仲がいいって・・・・ これじゃあまるで、前もってこうなる恐れがあると見越して


 準備した上で拉致られたようなものじゃあないか・・・・」


警官は怪訝そうな顔で優子を見た。


すると彼女は泣きながらとっさにこんなことを言いだしたのだった。


「違います!前もってだなんて!私たち・・・・・ううう・・・・・・


 連れ去られた男女と私は恋人同士なんです・・・・つまり・・・・・」


「え???あ?つまり?」


「私は彼女とも彼とも愛し合っていて・・・ それでいつも居場所を特定させるために


こうやって浮気を管理する意味で・・・・・・・・」


「彼とも彼女ともって?え?」


「もういい!そんなことより今は急を要するようだ!」


事情を細かく聞こうとする警官を、もうひとりの年配の警官がそう怒鳴って制した。


「じゃあ君は後ろの座席に乗って!すぐにその反応を追って追跡する!


お前はすぐに応援を要請するんだ。拉致した犯人が多人数だとも考えられるからな!」


「は!了解しました!」


そう言う警官と優子を乗せたパトカーはようやく追跡を開始するのだった。




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イエ~~~~イ 音譜


祝六十話突破だぁ~~~











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  1. 2012/07/27(金) 15:04:24|
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