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変幻本舗

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ピアス×2 第五十八話

ピアス×2



第五十八話





午後7時




店に明かりがともり始めて、ちらほらと客が見え出した頃に若い二人は正面玄関前にいた。


「さぁ!いこっか~」


「う・・・・うん・・・・・・・・」


優子は浩一の左腕にしがみ付いている。


緊張からか少し震えているようでもあった。


「大丈夫だって・・・・・ なんかあっても俺が守ってやるからこわがんなって・・・・」


そう言う浩一も緊張は隠せない。


「怖がってなんかないもん・・・・ これは武者震いよ・・・・」


優子も強がってみせる。


店の入り口を入ってすぐのカウンターで、浩一は指示通りに


手渡されていた麗羅の名刺を差し出した。


「この人に招待されてきたのですが・・・・」


それを見た受付の男は、すぐに理解し丁寧に二人を店の奥へと招き入れたのだった。


意外と簡単に入れたものだ・・・・


浩一と優子はそこまでのスムーズな展開にそう安堵し、案内されたテーブルに着いた。


当然二人の入店に、麗羅も気が付いた。


その隣にいるカエデも同じく二人に目を向けていた。


「さあそれじゃあ二人に挨拶に行きましょうかぁ? 


なんせ私が招待したお客様だもんね♪」


麗羅はカエデを見て微笑みながらそう言って浩一と優子のいるテーブルへ向かおうとした・・・・



その時・・・・・・



二人のいるテーブルに麗羅たちより先に近付いた女性がいた。


「え?・・・・だれ?」


麗羅もカエデも予定外の展開に驚く。


「私の客に他のホステスが付くなんてありえないわ。


それにあの二人にはすぐ私が向かうと、チーフにも伝えてあるから・・・・」


広い店内を足早に麗羅とカエデはそこに先についた女性の顔を確認しようと


そのテーブルへ近付こうとしたのだが・・・・


「ちょっと待って・・・・・・」


麗羅がいきなりカエデの手を掴んで動きを制した。


「え?どうしてよ?」


「だめ・・・・彼女は・・・・・」


麗羅の言葉にカエデも今一度二人のいる席に付いたホステスを確認した。


「あれ?・・・・あれって・・・・ さつき?」


麗羅は小さくうなずいた後こう続ける。


「そう・・・皐月よ。彼女は今この店に君臨する女王。押しも押されぬナンバーワンなの」


皐月が今、トップなのは一昨日レオナから聞いていた。


でも?・・・・


「でもなぜ私たちが行っちゃあ駄目なの?麗羅のお客なのよ?


挨拶くらいはすぐにしなきゃ」


カエデはそう麗羅に詰め寄った。


「それは昔の常識なの。今は彼女の行動は絶対。


そこに入ることは絶対に許されないわ・・・・」


「えーー?そんなバカなぁ!」


「バカでもなんでも今はそうなの! だから彼女があの席から離れないと


私たちは近付く事が出来ないのよ・・・・・」


「冗談じゃあない!そんな無茶苦茶我慢できないわ!私は行く!」


少し感情を出してカエデは進もうとしたが・・・・


グッ!


「いたぁ~い」


麗羅は掴んだカエデの手首を力いっぱい握り締めて引き寄せた。


「無茶行って困らせないの!以前のカエデならともかく今のあなたなんて


彼女の一言で即クビになるのよ?そうなってもいいの?」


「ウグッ・・・・そりゃ~駄目だけど・・・・」


不満そうなカエデ


「それにしても一帯なぜ皐月が?どうしてこんな若い新顔の客の席にいきなり顔を出すの?


いったい何がおこっているの?・・・・・」


麗羅も皐月の出現に戸惑うばかりだ。


しかし現時点では手の出しようもない二人は、遠目から皐月が席を離れるときを


待つしか手立てがなかった。


そして5分ほど話しこんでいた皐月は


「それじゃあゆっくりしていってくださいね。まもなく麗羅も来られると思いますので」


「あ・・・・はい・・・ わかりました。 どうも有り難う御座いました。」


そう言って丁寧に浩一と優子に頭を下げて席を離れようとした。


麗羅はようやく皐月が席を離れてくれると思い、身を乗り出して動いた。


そして席を離れようとする皐月と目が合う・・・・


皐月はその時何か意味のあるような微笑を、麗羅に向けていたのだった。


「なに?・・・・あの子・・・・なに考えてんだろ?・・・・・・」


皐月の不可解な行動も気にかかったが、とりあえず麗羅とカエデは


二人のいるテーブルへ入ることが出来た。


「おそいよぉ~、なにしてたんだよ?」


カエデの顔を見た浩一が安堵の表情でそう声をかけてきた。


「わぁ~~!カエデさんメイド服なんだぁ~♪ すっご~~~い!かわいい~~♪」


片や優子はカエデの服装に夢中になっている。


「あははは・・・・・ちょっと恥ずかしいんだけどね・・・・・このメイド服・・・・」


「え~~すごく似合ってるよぉ~?」


カエデは少し照れながらもこう続けた。


「二人とも有難う。とりあえず入店してもらえて嬉しいわ。で・・・・


こっちの女性が話していた麗羅さんよ」


カエデに紹介されて麗羅は深く頭を下げた。


「はじめまして、麗羅です。今日はゆっくり遊んでいってくださいね」


そして眩しいほどの笑顔を見せてそう言った。


「あ・・・・いえ・・・こちらこそ宜しくお願いします。」


その笑顔に浩一は緊張する。


「でもやっぱり凄いですね♪」


その隣で優子はややリラックスしながら口を挟んできた。


「はい?凄いってなにがですか?」


「麗羅さんも超美人だけど、さっきまでいた女の人なんか美人で綺麗でかわいくて


品があって教養もあって・・・・・・もうワケわかんないくらいいい感じの人だったなぁ・・・・」


優子はうっとりと上を見つめて思い出すように言った。


「彼女はこの店のナンバーワンよ。そりゃー凄く綺麗なのは当然でしょ?」


そんな優子にカエデはきつい口調で言う。


「え?ナンバーワン?そんな人がどうして私たちのテーブルに来たの?」


「そんな事知らないわよ?こっちも予定外の事だったんだから」


「ふぅ~~ん・・・・でもやっぱりカエデさんって凄いんですね」


優子はカエデの手を掴んでそう言ってきた。


「え?どうして?」


「だってカエデさんも以前はここでトップだったんでしょ?だったらカエデさんも彼女のように


気品に満ち溢れていたんだろうなぁって思って・・・・」


優子は自分の頭に思い起こすようにうっとりとする。


「ちがうわよ!」


すると突然麗羅が言い放った。


「え?」


その彼女の口調に三人は目を向ける。


「カエデをあんな小娘と同じにしないで!」


「え?同じにしないでって?・・・・」


「カエデはもっともっと・・・・そう・・・・どう言えばいいのか・・・・・


誰にも出せない世界がカエデの周りに展開するような・・・・


美しいだけでは出来ない雰囲気を持っていたのよ・・・・


あんな皐月なんかはその足元にも及ばないわ!」


麗羅は強く言い放った。


「はいはい・・・・れいら?ちょっと落ち着いて。」


カエデはやや興奮気味な麗羅を抑えようとした。


「あなたは昔と少しも変わってないわね?ほんと私のことになると


すぐに我を忘れてしまうんだから・・・・」


「はあはあ・・・・ごめんなさい・・・・・」


「いえ!いいんですよ!その通りだと私も思います!」


すると優子はいきなり麗羅の両手を握り締めて熱い眼差しを向けるのだった。


「麗羅さんってカエデさんの事よくわかってたんですね~。


そこまで言い切れるなんて凄いことだと思います」


「え?そ・・・そりゃ・・・そうよぉ・・・・・」


麗羅もそんな優子の言葉にまた同調する。


「わっちゃ~・・・・ この二人って似たもん同士かよぉ?」


そんな二人を見て頭を抱える浩一だった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




それから少しして麗羅とカエデは二人のいるテーブルから離れた。


このあと別の空きがあるホステスがかわるがわるここへ来ることになる。


二人にはそのホステスにそれとなく梶原という名の魔術オタクの事を知らないか


聞き出してほしいと伝えてある。


浩一と優子はその指示通り席に着くホステスに「梶原」の名を聞いてみた。


しかし誰の口からもそんな客のことは知らないと返事が返ってくるだけだった。


そしてそれからしばらくして、ホステスも席を離れて二人だけになった時に


「じゃあ優子・・・・・このあとはいよいよ計画実行だから・・・・・・」


そう小声で浩一が優子に話しかけた。


「う・・・・・うん・・・・・・・・わかってる・・・・・でも・・・でも絶対に無理しちゃだめだよ!」


優子は浩一の手を握って涙目になりながらそう言っていた。


「ばかやろ・・・・そんなのわかってるって。何も心配いらないから


おまえは予定どうりに動けばいいんだよ・・・・・」


涙を堪えて優子はグッと唇を噛み締めてうなずいた。


そして彼女は一人席を立つ。


次に入り口の受付に行き、自分だけ仕事の為に席をはずす事を伝えた。


一緒に来た浩一を残して自分だけ帰る事を店側に伝えて一人優子はそこを出たのだった。


次に一人残された浩一は、そのあと席に着いたホステスと一緒に


飲む!


飲む!


とにかく急ピッチで飲み始めた。


すると案の定、それから1時間ほどで彼は見事に酔いつぶれてしまったのだった。


「ああ~~ん?大丈夫ですかぁ?ねえ?大丈夫?」


目の焦点も定まらずろれつも回らない浩一に、ホステスは心配して声をかける。


だが浩一はそのまま椅子の上でダウンしてしまったのだった。


「もぉ~~しょうがないなぁ・・・・麗羅さぁ~ん。ねえ~レイラさぁ~ん」


麗羅の招待した客だということは店のホステス全員が知っていた。


当然そのお客が泥酔したのだから、そこにいたホステスは


すぐにその事を麗羅に伝えようとする。


「あらあら、これは大変だわ。シノブ!すぐにこの方を休憩室へ案内して


休んでもらってください」


「はい!かしこまりました」


カエデはそう麗羅に指示をされて、浩一の腕を自分の肩に回し


泥酔常態の彼を抱え上げて運び出した。


そして向かった先の部屋は・・・・




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まだまだ続きます あせる





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  1. 2012/07/27(金) 14:48:20|
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  4. | コメント:2
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コメント

1. レンちん♪

つい、仕事中に読んじゃったじゃない(笑)
  1. 2012/07/27(金) 15:03:42 |
  2. URL |
  3. 女装子moco(日本パンス党) #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

2. Re:レンちん♪

>女装子moco(日本パンス党)さん
ありがとう御座います~~
お仕事の手を止めてまで読んでいただいて
感謝感謝にごじゃりまするぅ~

はあはあ・・・・・
連続更新しまくりの術でござる♪
  1. 2012/07/27(金) 15:16:05 |
  2. URL |
  3. レン #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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