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変幻本舗

気がつけば・・・ あなたの身体も変化する

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ピアス×2 第五十七話


ピアス×2


第五十七話




「ぷっはぁ~~~! ああ~~~すっきりしたぁ!


やっぱりメイクを落として男の姿に戻るとすっきりするなぁ~♪」


「ええ~~~~? そんなことないよぉ~~~


さっきの服もスッゴクかっこよくて綺麗な美人だったのにもったいないなぁ・・・」


浩一の部屋で自分の制服姿に戻り、メイクも落とした僕は大きく伸びをしてそう言うと、


それを聞いた優子が残念そうに続けた。


「なあ・・・そんな事より詳しく聞かせてくれよ・・・・あのあとどうなったんだよ?」


浩一はすぐにそう切り返す。


「ん?・・・・ああ・・・・・・ 詳しく説明するよ。それに二人にはとても重要な事を伝えて


協力してもらわないといけないんだ・・・・・」


僕はゴクリとツバを飲み込んで真顔でそういった。


昨夜セラフィムでの出来事。


そして以前とはまったく違っていた店の仕組み。


そのため今の全てを店にいる旧友に伝えて協力を願った事。


その旧友から聞いたカエデの死後に起きていた出来事など、


今の僕が知りうる全てを二人に話した。


「えー?じゃあその新谷ってのが全部悪いんじゃん。カエデさんを殺したのもきっとそいつだよ!」


優子は興奮気味にいそう言う。


「確かにそいつはひどいなぁ・・・・助けてもらった恩を仇で返すなんて・・・・


お兄さんもきっと悔しかっただろうなぁ・・・・」


浩一もそれに続いてまるで自分の事のように悔しがっていた。


「うん・・・・・・ただね・・・・新谷がひどい奴なのはわかってるんだけど、ちょっと・・・・・」


「ん?なに?ちょっとなに?」


「うん・・・・だからなぜそれでカエデが邪魔なんだろうって?」


「え?」


「どうしてカエデを殺す必要があったんだろうってね・・・・それが引っかかるんだよ・・・・」


優子はそう聞いて少し考えてこう言い出した。


「そりゃーカエデさんは凄く賢い女性だから、新谷が考える悪巧みをことごとく暴いてしまう


恐れがあるから邪魔だったんじゃあない?」


「うん・・・オレもそう思う・・・・きっとカエデさんの存在が怖かったんだよ」


「そんなもんかなぁ・・・・それにカエデを殺したという魔術オタク男・・・・


そいつの存在がまったく見えないんだよぉ・・・・・」


僕は二人の前で浩一のベットに腰をかけて、閉じた両足に手を入れて


考えながらそう言っていた。


そんな僕を見て優子が


「ねえしのぶ?」


「ん?なに?」


真剣な顔で言う


「あなた仕草も言葉使いも女の子になってるよ?」


「え?ええ??なに?そうなの?」


「うんうん、いまもそう。外見がかわいいから違和感ないけど、


そのままもう女の子になっちゃえばぁ?」


優子は笑いながら僕をからかってきた。


「ばっ!ばかやろ!んなことないよ!ぼくはおとこだ!


今はちょっと混乱しててこうなってるだけだよ!」


僕は慌てて両足をガニマタに開いて声を荒げてそう怒鳴り返した。


「あ~はははは♪いいって!無理しなくてもいいよぉ~」


それでもまだ優子は僕を指差して笑っている。


「おい・・・・・もういいから」


するとそんな優子の僕を指差す手をスッと押さえて、


隣にいる浩一は低い声でそれをさえぎってきた。


「あ・・・・うん・・・・・そだね・・・・・ごめん・・・・」


真剣な話しの途中だといわんばかりの浩一のその言葉に


優子は素直に謝るのだった。


「それで?カエデさんは俺達に何を協力してほしいんだ?」


「うん・・・・今からそれを説明するけど、これはとても危険な事なんだ・・・・


だから聞いてからイヤだったらやめてくれてもかまわない・・・・」


僕のその言葉で二人に緊張が走った。


「どういうこと?」


優子のその問いかけに僕はゆっくりと答えた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「それじゃあその手はずで明日頼んだよ」


僕は優子と浩一に彼の家の玄関口でそう言っていた。


「ああ、まかせとけって」


「わたしもいいわよ。それよりそっちの準備がなければ無理なんだから頼むわよぉ」


二人は僕にそう切り返す。


そんな頼もしい言葉が返ってくるとはなんとも心強いことだ。


「わかってるって!おまえらカエデの事信じられないのかぁ?」


そう僕は答えていた。


二人は満面の笑みを浮かべて大きくうなずいた。


「じゃあ帰るわ」


「私も帰るわね」


優子と僕は彼の家をあとにしてそのままお互いの家に帰っていった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



そして次の日


母にはまた浩一の家に泊まって勉強すると伝えた僕は、カエデになる用意をして銀座へ向かった。


時刻は夕方の4時過ぎ


カエデに入替わるのは出来るだけ店に行く寸前にしたい僕は、シノブのままで


まわりを伺い女性用トイレに駆け込んで女装し始める。


何度も繰り返していると、それも手際よくなってきたものだった。


カエデがするよりも雑ではあるが、何とか見れないこともなかった。


「こんなものでいいかぁ・・・」


店に通う服は何でもいい。


中ではそれ専用の服があるのだから、僕は先日麗羅の家から帰るときに借りた


スタイルに着替えてメイクも済ませた。


そして待ち合わせの場所へ向かい二人とおちあった。


「よぉ!こんなもんでいいかぁ?」


優子と浩一はすでにその場所に来ていた。


浩一はびしっとしたスーツに身を包み、一流企業のエリートサラリーマンのようだった。


そして優子もベージュの高級なスーツを着こなして、上品な感じを出している。


「うんうん、二人ともいい感じだよ。それでばっちりだ!」


「ほんとにこんな感じでお客としてセラフィムへ入れるの?大丈夫?」


優子は少し不安そうに聞いてきた。


「大丈夫だって、昨日も打合せしたじゃん」


「そりゃーそうだけど・・・・」


「その服も麗羅が用意して言ってあったコインロッカーにあっただろ?


だから今夜君たちがお店に行くのも麗羅の招待になってるんだよ」


「うん・・・・・そうだよね」


「入り口でこの麗羅の名刺を見せれば、案内してくれるから心配しないで」


「ああ・・・・心配なんかしてないさ。だってこれはカエデさんの考えた計画だろ?」


「ん?そうだよ。浩一は資産家の御曹司で数年前に立ち上げたIT企業がようやく軌道に乗り出している


新進気鋭の若者。そして優子ちゃんはその彼女で、その資産家っていうのが昔麗羅が


お世話になった人って事にしてあるから、彼女が君たちを招待したんだよ」


「うんうん・・・・そんなシナリオだよな。わかったよ。」


「それで私たちは梶原って男の事を、付いたホステスさんに聞いてみればいいのね?」


浩一との話が進む中、気を持ち直したのか優子が話しに入ってきた。


「うん、梶原って言うのがカエデさんを殺したオタク男の名前なんだ。


そいつの情報が少しでもあればと思うんだけど恐らく誰も知らないと思うよ。」


「でも聞いたほうがいいんでしょ?」


「うん・・・・・もしかして思いもかけない情報があるかもしれないしね・・・・」


そこでまた浩一が二人の会話にわって入ってきた。


「それで・・・・・一番重要なのがそこから先だよなぁ・・・・・」


「ああ・・・・・こういち・・・・・・ほんとうにいいのか?」


「何度も聞くなって!カエデさんの頼みを断れるかって!」


彼の表情が一段と険しくなっていく。


「じゃあオレ達は7時頃に店に顔を出すよ」


「わかった・・・・僕はもうそろそろ店に入って準備しなくっちゃいけないからいくわ。


ほんとこんな事頼んでごめん!」


シノブは顔の前で手を合わせて二人の前から立ち去っていった。


「こんな事頼んでごめんって・・・・頼んでんのおまえじゃあねぇ~っつ~の」


「ほんとそうだよねぇ~・・・・シノブってお人好しというか、純粋というか・・・」


「ああ・・・まあ、こんなことする俺達も負けねえくらいお人好しだけどなぁ」


浩一と優子はお互い顔を見合わせて笑いながら歩き出したのだった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




シノブが店に入ると研修生の部屋が騒がしくざわめいていた。


「どういうことですか? どうして彼女がいきなりなんですか?」


数名の研修生がホステスに詰め寄っている。


「あら?どうしてそんな事をあなたたちに説明しなくちゃいけないのかしら?」


「だって麗羅様は前から付き人は取らないっておっしゃってたのに、それをいきなり昨日入ったばかりの


新人の女を付き人にするっておかしすぎます!」


「そうよ!そうよ!そんなのじゃあ何の為に私達頑張ってるんだかわかんないし!」


数名のメイド服を着た研修生は口々に不満を麗羅にぶつけていた。


その迫力に少し気後れした麗羅がようやく口をひらく。


「それは私の勝手でしょ? あなたたちにとやかく言われる・・・・」


「そんな事されると示しが付きません!こんな勝手な!」


麗羅の話を最後まで聞こうともせずに研修生は声を荒げた。


するとそこへ・・・・


「あ~~~あ・・・・みっともないなぁ~~~」


そんな研修生よりもさらに大きな声で一人の女性が声を上げてその輪の中に入ってきた。


「え?だれ?」


数名の研修生も麗羅さえもその声の方へ目を向けると、そこには先ほど店に入った


シノブの姿があった。


「あ!カエ・・・・・デ・・・・・うっ・・・・うぐっ」


麗羅はその姿を見て思わずカエデと呼びかけようとし、自ら口を押さえ込んだ。


「あ・・・・黒石さん・・・・・・」


他の研修生も今麗羅に問い詰めている話の当の本人があらわれて言葉に詰まった。


「ちょ?ちょっと?今あなたなんていったの?みっともない?」


だが気の強い背の高い研修生がすぐにシノブにそう言い返す。


「ん?きこえなかった?みっともないっていったのよ?」


「なんですって?」


「そりゃ~そうじゃない。あなたたちは何ヶ月かかってもまだ研修生。


でも私は2日目でもう付き人。この差をひがんじゃってそりゃーみっともなくってみてらんないわよぉ~」


この口調


この堂々とした態度


そしてその身のこなしはどこから見てもその中身がカエデに変わっていることに、麗羅は気が付いた。


「きぃーー!!!」


そこまでバカにされた女はいきなりカエデの頬に張り手を見舞う。


ガシッ!


が、しかしカエデはその手首を掴み返してすぐ後にひねり上げた。


「あ!いたたた・・・・」


「あんたね、顔は商売道具なの。次そこに手を上げたら・・・・あんた殺すわよ・・・・」


カエデは手首をひねり上げた相手の耳元で低い声でドスを聞かせてそう呟いた。



バッ!



そして次にその相手を突き放して、こう言い放つ。


「あんたらもくだらないことについてこないで、さっさと店の開店準備やりな!


そんなだからいつまでたっても研修生のままなんだよ!」


その声はとても厳しく精悍なものだ。


「ウグッ!」


数名の研修生たちはそのカエデの声に気圧されてその場をすごすごと立ち去るしかなかったのだった。


パチパチパチパチ♪


そんな様子を見ていた麗羅が小さく拍手を送る。


「さすがカエデね~♪ そんなところは昔とちっとも変わんないわぁ」


麗羅にそう言われたカエデは頭をかきながら


「ったく!・・・・私はあんな奴らが大ッ嫌いなんだよ!ウジウジ文句ばっかり言いやがって!


悔しかったら早くホステスにでも何でもなれって!」


「まあまあそう怒んないの。それより昨日言ってたとおり二人は来るの?」


麗羅は話を変えて今夜の打合せに入った。


「ええ、さっき二人には会って来たわ。準備万端で7時には店に来るって。」


「そう、わかったわ。そっちは任せといて。それよりあなたは今夜から私の付き人だから、早く準備してよね。」


「うん・・・あ・・・・そっか・・・・ 付き人っつっても、やっぱメイド服なんだよね?」


「ん?当たり前でしょ?ホステス以外はみんなあれよ」


「ちぇ~~ 早くホステスしたいぃーーー!」


「文句言わないの!早く着替えてきてそのあとは私から離れないでね」


「はぁ~~い。わかりました~~~ともみさまぁ~~」


麗羅はそんなふてくされながら離れるカエデを微笑みながら見送るのだった。




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  1. 2012/07/27(金) 14:27:52|
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